パスワード

 ここ最近、この問題で頭を悩ませています。 

得意でもない、いえ、正直に言うと欠けているスキルの一つでもあるインターネットを使わないとダメな仕事があって止むを得ずに使っているのですが、ノートパソコンの画面がすぐに尋ねてくるのです。 

「パスワードを入力してください。」 

??? 

え〜っと、なんだっけ? 

これかな? 

「違います。」 

??? 

これ? 

「違います。」 

何度もやっているうちに、 

「最初からやり直してください。」 

いつまでたっても先に進めない。 

わかりもしないのに、あれこれ触って、余計に事を複雑にしてどうにもならなくなって、同僚に助けを求める始末。 

仕方なく新しくやり直すと、パスワードはより複雑なものにしないと認めてくれず、その度に益々私のパスワードの数は増え、複雑に覚えにくくなっていく。 

しかも一番苦手な。アルファベットと数字。 

日本語でひらがなだったら楽なのになぁ〜。 

クローゼットの中も断捨離したいのですが、パスワードも断捨離したいこの頃です。 

パスワード 小川千賀子 ブログ

夕暮れ時

 洗濯物を取り込んでいたら、お向かいのご夫婦が椅子を並べて座ってぼんやり。 

何かを話しているわけでもなく、何かを見ているわけでもなく、黙って景色を見ているようです。 

こちらに気がついて、軽く会釈しながら、「こんにちは。」 

こちらも会釈しながら「こんにちは。」 

少しの間があって、 

「今日は暖かくて良かったですなぁ。」 

そして話は、軒下のツバメの話や、小さくできた蜂の巣の話。 

夏が近ずいて虫が活発に動き出して困る話や、最近取れた野菜の話。 

4人でポツポツと話していると、お隣さんも、庭の水遣りのジョウロを持って会話に入ってきて、そのまた先のお隣さんもちょっと離れた所から笑ったり、頷いたりしています。 

そんなゆっくりの時間と共に日が暮れていきます。 

そして誰からともなく、そろそろと家に入っていく。 

なんともリラックスしたご近所付き合い。 

家がお互いの道にどのように開きあっているか、とても大切だと思います。 

コミュニケーションは、意図されて行われるものよりも、毎日の生活の中で、自然と無理なく取られるものがいいですよね。 

夕暮れ 小川千賀子 ブログ

突然の雨

 困ります。 

本当に困ります。 

その日、天気予報では、日付が変わる頃、雨になるとの事でした。 

今、まだ夕方の5時前です。 

天気予報を信じていた私は、当然、洗濯物を干しているし、 

(だって朝は信じられない位、ピカピカの上天気。) 

少しくらいならいいかと、久しぶりにほんの1時間、友達と遊ぶ約束までしていたのに。 

友達との貴重な約束をキャンセルして、大急ぎで保育園に向かい、 

「急いでお家に帰ろうね!」なんて言っていたら、 

ピカピカの夕焼け空に。 

「公園であそぶ〜 !」という子供の手を引きながら、 

「今日はダメ!」と子供に八つ当たり。 

そんな昔の事を思い出しました。 

子育てしながら、毎日の家事をこなしながら、仕事をしているお母さんは本当に大変です。 

子供は熱を出すし、ケガもする。 

ケンカもするし、駄々もこねる。 

食事の買い出しもしなくちゃならないし、大量の洗濯もしなくちゃならない。 

小学校のお姉ちゃんのPTA役員もしなくちゃならないし、残業はできないし、 

あれこれ考えると一番生産性が高いのではないかしらん。 

だから、とにかく、天気予報が外れるのが一番困る。 

「体操服、びしょ濡れだわ〜。どうしよう。着替え1枚しかないのに。」 

大丈夫。 

これからの家は、お母さんの味方になりますから、ですね。 

突然の雨 小川千賀子 ブログ

アイスクリーム

 

 蒸し暑い時、食べたくなるのが「アイスクリーム」。 

ちょうどおやつの時間にお土産でアイスクリームが届いたりすると本当に心が弾みます。 

あちこちで歓声があがり、あっという間に人がテーブルに集まってきます。 

「私はこれ!」 

「僕はこれがいいなぁ。」 

「これを取ってもいいかしら?」 

などなど、多くの手がアイスクリームに延びてきます。 

 アイスクリームの中には、バニラタイプのものや、アイスキャンディータイプのものもあります。 

こってりと食べたい時はバニラタイプ。 

口の中をすっきりさせたい時はアイスキャンディータイプ。 

最近はアイスキャンディータイプも、果汁が豊富で、ピーチや、マンゴーなどは、本物を冷やして食べているように感じる程リアルなものがあります。 

 食べた後、部屋にはほのかにアイスキャンディーの香りが残ることがあります。 

芳香剤と違い、雪のようにふんわりと消えてしまう香りは、心まで美味しくしてくれますね。 

アイスクリーム 小川千賀子 ブログ

大きいのと小さいの

 「お土産です~。とっても美味しいので買ってきました~。」 

仲間の嬉しい声に社内もウキウキ。 

お弁当箱サイズの大きな器を開けると、きな粉がた~っぷり!!! 

しかもわらび餅の大きさが普通の2倍!!! 

プルプルしているのに、もっちりとしていて、 

口に入れると本当にひんやりとして美味しいいわらび餅でした。 

また買ってきて~とおねだりしたくらい。(笑) 

 神戸の新幹線口で思わず見入ってしまったのは、小さな電卓サイズのお弁当箱に、小さな小さなお寿司が入った「舞妓寿司」。 

にぎり寿司、いなり寿司、巻き寿司が小さなサイズですが、一人前の格好で収まっています。 

 いつもは小さいのに、大きい。 

これはとっても得をした感じがします。 

 見慣れたものを小さく作る。 

これはとても愛くるしいものになります。 

少ない収納が大きくてたっぷり。 

これはとてもお得な感じ。 

さて、小さくつくって愛くるしくしたい家のモノは何でしょう? 

大きいのと小さいの 小川千賀子 ブログ

スマホ

 いつかの春のイタリア出張でのこと。 

ミラノの宿泊先で、アパートメントタイプのホテルに滞在しました。 

朝、仕事に向かう時、下の階に住んでいらっしゃるマダムと挨拶。 

「ボンジョルノ!」 

ある朝も挨拶をして仕事に向かおうとすると、マダムが手招きしてくれました。 

ご主人の仕事部屋をリノベーションして、ご自宅のもうひとつのリビングルームにするとのこと。 

4ヵ月前にご主人を亡くされ、思い出すとお話の途中でも涙ぐまれてしまうこともたびたび…。 

イタリア語が全く話せない私は、スマホの翻訳ソフトを使ってマダムと会話をしました。 

結果、リノベーションプランを日本から送らせていただくことになりました。 

ミラノの友人に立ち会ってもらい、現場の採寸・ご要望などをヒアリング。 

ミラノを旅立つ朝、マダムは窓から身を乗り出して手を振って、投げキッスもいっぱいして見送ってくれました。 

スマホのおかげで、海を越えて新しい出会いが生まれました。 

ちなみに、マダムとのアポイントは手紙をドアの下からすべり込ませ、お返事も「OK!」の手紙をドアの下からすべり込ませてもらうという、超アナログな方法でした。 

スマホ 小川千賀子 ブログ

言葉

※このブログは2020年以前に書かれたものもアップしています。

 中国に出張してきました。 

日本語の話せる現地の女性の方とご一緒しました。 

 工場を見学し、数名の方々と打合せが始まりました。全員中国の方です。 

私は中国語は話せません。 

当然、1回5時間以上、しかも二日間に及ぶ会議は、ほとんど内容を理解できません。 

でも、不思議です。 

じっと耳を傾けて、やり取りを身体で聴いていると、話している内容のようなものが理解できるようになります。 

今までの体験値や、経験値が総力を挙あげて頭の中で組み立てているようなかんじでしょうか。 

「こういうことが課題のようですが、私はこのように考えています。」 

とお話しすると、驚いておられました。 

赤ちゃんの気持ちがわかる。 

動物の気持ちがわかる。 

植物の気持ちがわかる。 

 人には、第七感のようなものがあるのかもしれません。 

『言葉』にならない、『心』を理解する。 

住まいづくりに関わる人には欠かせないものだと思います。 

言葉 小川千賀子 ブログ

質問

高級料理に縁のない私。 

「何にいたしましょう?」 

「え~っと・・・。」とメニューを見ても、チンプンカンプン。 

「どんな感じの物がお好きかお聞かせいただきましたらこちらでご用意いたしますが?」 

「え~っと、お魚がいいのですが・・・。」 

「それでしたら△◎♪✕●♡の、☆○♬はいかがですか?」 

「・・・? それってどんな感じですか?」 

「とても◇♫☆○ですよ。お勧めです。」 

「・・・?(プロが勧めてくれるんだから間違いないか・・・。)では、それをお願いします。」 

「かしこまりました!」 

そして、出てきたものは、イメージしているものとは全く違って、しかもめちゃくちゃ高かった・・・。 

なんて経験があるのは私だけでしょうか? 

わからない言葉や、知らない言葉を言われても、おじけづくことなく質問することができたら、そんな失敗はしなくてすみます。 

好きなものや、好きな味付けや、今日食べたいものは私しか知りませんし、私しかプロに伝えることができません。 

家づくりにも同じことが言えます。 

「質問できるあなたになる」ことが、失敗しない家づくりのための最良の秘訣です。 

質問 小川千賀子 ブログ

ジンギスカン

 ※このブログは2020年以前に書かれたものもアップしています。

 とある夕刻、とある場所・・・・・。 

会議が終わり、みんなで懇親会をかねての食事会。こうした食事会はたいがい居酒屋さんが多いのですが、幹事の方、 

「今日はジンギスカンです。」 

小さな路地を入った先に、まだ青い空の下、 

店先にテーブルとパイプ椅子、そして炭。 

大きなジョッキでビールを高々と上げて「乾杯!」 

女将さんの焼き方は、私が普通に思っていたジンギスカンのそれとは違い、とても美しいものでした。 

鍋下に待ち受けている野菜は、お肉の旨味を吸い尽くして、そのままで美味しいのなんの。 

もちろんお肉は、これがラム肉?と疑うほどの美味しさ。 

女将さんが焼いてくれるお鍋は、焦げ付くこともなく、最後まで艶々で美しいのです。 

 夕暮れになるほどに、心地よい風が顔を撫でて路地を通り抜け、星がまたたき始める頃には、お腹も心も幸せいっぱい! 

街のざわめきも気持ちの良い音楽のように感じました。皆さんとの笑い声も、路地にこだまして、それはそれは楽しかった! 

 こういう粋な懇親会があるなら、もっとお仕事頑張りま~す!(笑) 

ジンギスカン

「針に糸を通してくれる?」 

ちょちょいのチョイで、糸を通して手渡すと 

「ありがとうね〜。」 

と祖母は喜んでくれる。 

一番簡単で、しかも身体を動かさなくていい、割のいいお手伝いとして軽くやっていた幼い頃を懐かしく思い出します。 

なんでこんな簡単な事を頼むのかなぁと思っていました。 

優しい祖母だから、わざと簡単なお手伝いを私だけに言いつけてくれるんだと思っていました。 

・・・私が老眼になるまでは・・・・。 

家中に眼鏡が置いてあって、頭の上に乗せた眼鏡を捜している祖父に吹き出してしまったり、本当に罪な事をしていました。 

身体の身体能力は知らないうちに落ちてしまいます。 

もちろん維持管理に気を付けて、そのへんの若者より筋肉質で体力のあるご年配の方はたくさんいらっしゃいます。(怠惰な生活をしてしまっている私なんぞは当然その足元にも及びません。) 

それでも、視力、聴力がゆっくりと落ちていくのは仕方のない事ですね。 

家の中の様々なものが便利になり、直感で動かせるようになるのは凄いことです。 

でも、視力、聴力が落ちた時の事をもう少しわかってもらえたらと思うことも多々あります。 

「小さくて読めない!」のコマーシャル、祖母が見ていたら、 

「そのとおり!」と声を上げると思います。左手に針をかかげて。 

バリアーフリーの本当の意味をもう一度深く考えてみたいなぁと思います。 

糸通し