母の台所

 お盆はたくさんの親族も集まり、とても賑やかで子供にとっても楽しみな時でした。 

久しぶりに会う叔父や叔母とのおしゃべりにも子供なりに高揚したのを覚えています。 

夕食時はたくさんの親族も集まり、賑やかな宴になりました。 

そんな時の台所は、女性たちの賑やかな社交場に変身し、母はもちろんの事、親戚中の女性たちが一斉に台所に集まり、野菜を洗ったり、刻んだりしながら、おしゃべりと笑い声が弾ける場になります。 

それなりに大きくなって、その楽しい社交場に参加できるようになった時はいつものお手伝いと違い、本当に楽しい時間でした。 

父や、叔父たちに出すおつまみは、味見と称してつまみ食いをたくさんしたものですし、端っこを食べるのは格別でした。 

久しぶりに帰省し、母の台所に立ちました。 

40年前と何も変わっていない台所。 

扉を開く時の音まで同じ。 

古臭い昔のキッチンなのに、野菜を刻んで、料理をすると、なぜか楽しい気分になりました。 

母の台所 小川千賀子 ブログ

男子ごはん

 先日、若い男子のご招待を受けた。晩ごはん、ディナーのご招待。 

正直、期待していなかった。 

何かの鍋、もしくはカレー、もしくは…。 

そもそもイマドキの男子がどんな料理を作るのかさえ、わからない。 

それに…。 

ワンルームマンションか、1DKのアパートだと思う。 

男子のことだから、洗濯物の山とか、マンガの山とか、かき分けて座るのかなぁ。 

う〜ん。今夜は期待できないなぁ。 

「いらっしゃい!どうぞ!」 

にこやかな笑顔に招き入れられた場所は、決して広いとは言えないけれど、とても素敵に整理され、ディナー用にダイニングテーブルもセットされ、間接照明がいい感じ。おまけに音楽の選曲が抜群! 

前菜、そしてレタス包みの野菜と肉味噌、メインのお鍋は綺麗に丁寧に出汁が取られた、これまた絶品オリジナル鍋。食べたら身体がポカポカ。 

ひとしきり鍋を食べた後の雑炊は言葉にできない美味しさ! 

その後、フルーツ。綺麗に皮をむかれ、一口で食べやすいようにカットされていて、冷たく冷やしてある。 

最後はデザートにチョコレートケーキとお茶。 

昨今、インスタントに慣れて、片ずけが下手なのは女子なのかもしれない。 

いやいや、最近の若い人達は、男女問わず、生活感度が高いのか…。 

男子の爽やかな笑顔と、美味しいおもてなしに、ハートを射抜かれた夜でした。 

また誘って欲しいなぁ。♪ 

男子ごはん 小川千賀子 ブログ

模様替え

仲間が増え、手狭になった事務所。

 さて、どうしたものか…

 引っ越すといっても、そうそう今よりいい場所は無さそうだし、あるとしても、今のこの場所がいい。

 入口の場所を変えるといいプランになるけれど、入口の場所が悪く、それは避けたい。

 いろいろと考えていると、ポンとプランが閃きました。

 みんなで真ん中のミーティングテーブルを囲むお気に入りのプランはそのままに、ぐんと広く、使いやすいプランになりそうです。

 (面積は変わっていませんから、広くはなりません。広く感じる…が正しいですね。)

模様替えをするついでに念願の電子レンジを買おうと思っています。

 本当はオフィスの中にキッチンが欲しいのですが、それはかないそうにありません。

 でも、電子レンジがあるだけで随分とキッチンがある気分が味わえるんじゃないかとちょっとワクワクします。

 間取りは無数にあります。

 入口が決まっていても、面積が決まっていても、それでもおそらく無限にあります。

 自分たちの暮らしに直接関わることです。プロに任せるだけでなく、自分で考えられるようになりたいものです。

 (そんな方にインテリアセルフアテンド講座をお勧めします♪)

模様替え 小川千賀子 ブログ

バスの運転手さん

 バスで移動中の事でした。 

ワンマンバスの運転手さんの真後ろに座ったお爺ちゃん。 

運転中の若い運転手さんに話しかけます。 

「お城はどこ?」 

「お城ですか?お城はまだ先です。」 

「そうか・・・。あの木は何という名前?」 

「えっ?どの木ですか?」 

「あの木!」 

「すみません。知りません。」 

「知らないの?木の名前ぐらい勉強しときなさい! あの建物は何?」 

「すみません。運転中なのでご案内できません。ご容赦ください。」 

少し強引なお爺ちゃんでしたが、目上の方を意識した運転手さんの優しい対応に車内のみんなが感心していたようです。 

バスを降りた人が口々に、「立派な運転手さんだったよなぁ~。」と言っていたことからもわかります。 

 建築の現場でも様々な年齢の方が関わります。上下関係や、お客様と請負者の立場を超えて、目上の方を意識した言葉遣いを、昨今特に大切にしたいと思います。 

ネイル

 最初は眉をひそめたものでした。 

 マニキュアでさえ、怖いお姑さまからお叱りを受けそうなのに、イマドキの「ネイル」ときたら…。 

 色はピンク系にとどまらず、ブルー、グリーン、黒、しかもいろんな柄があって、キラキラ光るものまでついている。しかも指全部柄違いだなんて…。 

 でも今では見慣れたこともあって、とってもおしゃれに感じます。女性の指先がとっても華やかになりましたし、手のしぐさも優雅になったように思います。 

 それに、それぞれの個性にとても合っていて、見ている方も嬉しくなってきます。 

 で、やっぱり色合わせや柄合わせがポイントになってきます。インテリアと同じですね。 

 ネイルから逆に学んだこともあります。例えば、キッチンや収納の扉。そもそも同じ色で揃えなくてもいいですよね。1枚の扉だけ柄になっていたり、下のキャビネットだけ花柄になっているキッチンなんてとってもおしゃれですよね。しかも、気分が変わったら色や柄を手軽に変えることができるなんて、考えただけでワクワクします。 

 そういえば、最近は柄のついた掃除機など、家電もカラフルになっています。 

白一色だった家電がカラフルな色になり、次は柄がプラスされ、インテリアがどんどん華やかになっています。 

 毎日過ごす家だからこそ気軽に自分が元気になれるインテリアにしたいものですね。 

ネイル 小川千賀子 ブログ

新聞紙

 今になって思うのは、母のつくってくれたお弁当はとても美味しかったということです。 

今でこそ給食は美味しくなりましたが、昔はやはり家のごはんの方が美味しかったと思います。 

遠足とか運動会ではお弁当を持参することができ、友だちどうしでお互いのお弁当を見せ合い、卵焼きなどを交換したことを思い出します。それぞれお互いに相手の家の卵焼きを「美味しいね!」と言いながら、やっぱり自分の家の卵焼きの方が美味しいと心の中で思っていたと大人になって告白すると、みんなそうだったと知り、大いに笑いあいました。 

わが家が一番と、小さいながらにみんな思っていたのです。 

遠足に持っていくお弁当は、捨てやすく折詰され、食べる時にお尻に敷けるように新聞紙でくるまれていました。 

座る場所を決め、新聞紙をといてお尻の下に敷き母のお弁当を開くときは、朝、我慢できず中身を見ていたのにもかかわらずドキドキ誇らしいような気持ちになっていました。 

きれいに食べ終わると、空になった折を新聞紙でくるんでゴミ箱へ。リュックはぐんと軽くなり後半の足取りも軽く♪ 

ランチョンマットもナプキンもなかったけれど、昔も暮らしの中に家族の愛情が伝わる風景がたっぷりありました。 

新聞紙 小川千賀子 ブログ

つつみ紙

  お菓子が届きました。 

とても長いお付き合いをさせていただいている方からでした。 

お誕生日のお祝いにお花を贈ったお返しでしょうか。 

きちんとされた方はこうした贈り物のつつみ方も感嘆の声が出るほどきちんとされていて、まるで着物をたたんでいるような感じにさえ見えます。 

そ〜っと感心しながら出てきたつつみを見てさらに息をのみました。 

お菓子箱はまるで白無垢のような和紙でくるまれ、その和紙の袂に椿の絵と、「日日是好日」と筆で描かれていました。 

添えられたお手紙にはお礼文と、 

「日日是好日は、私の一番好きな言葉です。」と書かれていました。 

一瞬息を飲んだ後、心震える心持ちになり、思わず涙がこぼれました。 

丁寧につつみを解いてお菓子を取り出し、さて・・・・・。 

和紙に描かれた椿と「日日是好日」をどうしよう。 

そうだ!額装しよう! 

額装屋さんに持込み、額の大きさと額縁を決め、椿をどの辺りに配置するかを決め、 

額の内側のマットの色と、色重ねをお店の人と一緒にあれこれ相談しながら決めました。 

90センチ角に近い大きな額装にしました。 

出来上がりの日。 

改まった顔で白無垢をまとい、額装でキリリと収まった椿の美しいこと。 

「ほお〜・・・・・。」 

思わず感嘆の声が漏れます。 

家に飾ると、空間の格が数段上がりました。 

絵画の力は凄いと改めて思いました。 

お店の人とのやり取りも本当に楽しかった。 

そして、想像以上の出来栄えに一緒に喜んだ。 

家づくりと同じですね。 

お菓子を送って下さった方に、額装された椿の写真を送りました。 

とっても喜んで下さいました。 

・・・また送ってくださるかしらん♪なんて思ってます。 

つつみ紙 小川千賀子 ブログ

映るんです!

 新しい働き方として「リモート」による在宅勤務が多くなりました。 

子育て中のお母さんたちや、介護をしなければならない人たちの働き方も含めてより自由度が増し、嬉しい限りです。 

タブレットやパソコンで会議に参加できるのはいいのですが、気を付けなくてはならないのが、自分の後ろの景色。 

つい窓に向かって会議に参加していると、油断することなかれ。散らかしたままのキッチンがばっちり映ってたりします。 

逆に、背景のインテリアが美しいと、急にその人までもが素敵に見えたり・・・。 

毎日の暮らしがありますから、常に綺麗に整えておくことはできません。でも、一個所だけ、美しく整えておくことはできるかもしれません。 

リモート用のカプセル型の個室も販売されているようですが、家族の声や、生活音が調整できるのであれば、リビングの一角でお仕事と洒落てみたいものですね。 

年末に向けて、そんなことを考えながら大掃除を計画してみてはいかがでしょうか?♪ 

映るんです 小川千賀子 ブログ

バケツの水

お天気ニュースを聞いていると、最近の雨の様子は、『バケツの水をひっくり返したような』と表現されますよね。 

たしかに、昔の雨の降り方とは全く違う様子になっていると感じます。 

雨の強い日もありましたが、それは台風の日などでした。 

久しぶりの『雨』に、黄色いレインコートを着て、黄色い傘をさして、黄色い雨靴をはいて、わざと水溜りの中を歩いて遊んだものです。 

遊びすぎてレインコートの中が蒸れてくると、独特のビニールの匂いが立ち込めてきて、それが雨遊びをやめる頃合いの合図だと思っていたふしがあります。 

それが今は、一気に「これでもか」というパワーで降ってきます。 

『バケツの水をひっくり返したような・・・』 

とは上手い例えだと感心しますが、最近はそれさえも超えているように感じます。 

『プールの水を一気にひっくり返したような・・・』でしょうか? 

お天気を表現するのって難しいですね。 

バケツの水 小川千賀子 ブログ

巣作り

 ある日そのエリアは全く違う空間になっていました。事務所内での出来事です。 

家具を買い足したとか、家具を入れ替えたとかした様子はありません。 

でも、全く印象が違います。 

何が変わったかというと、きれいに片付けられてスッキリしたこともありますが、文房具が全て入れ替わっていました。 

色が統一されて、空気感までも変わっています。 

なるほどと感心しました。 

会社で使用している通常のものではなく、自分で買い集めて整えています。 

「巣作りしてるなぁ♪」 

そう思いました。 

たくさんの時間を過ごす場所。 

思考してまとめていく仕事をする場所。 

その場所を自分らしい空間にするのは、まるで「巣作り」のようです。 

事務用品以外にも、小さな花瓶を置いて一輪の花を飾っている人もいます。 

リモートワークも活発になりました。小さなコーナを活かして、私も「巣作り」してみようかなぁ♪♪♪ 

巣作り 小川千賀子 ブログ