ふと夏の夜を思い返した時、蚊帳を思い出しました。
夜、お布団を敷く時、蚊帳を吊ってもらうととても嬉しくてよくはしゃいだものです。
「中に入る時は、パタパタと周りを叩いて、サッと小さくなって入るのよ。
ほら~、蚊が入っちゃうじゃないの。」
こんな風によく叱られたりしながら、それでも従妹同士でじゃれ合うように蚊帳の中で遊びました。
中に入れた扇風機が首を振るたびにふんわりと蚊帳が揺れて、それを眺めているといつしか眠りについていたような気がします。
蚊帳の中は暑かったように思いますが、風が抜けると心地よくひんやりして、なんとも風情がありました。
窓の外から虫の声や、川のせせらぎの音が聞こえて、それも気持ちの良い眠りにつながっていたように思います。
窓を開けはなして寝るなんて都会の生活では考えにくくなりましたが、時には田舎で蚊帳の中で眠ってみたいなぁと思いました。