お迎え

 新幹線のホームに降り立った時です。 

横をまん丸の白いウサギが通り過ぎたように思いました。 

見ると、髪の毛をおさげにした白いモコモコのコートを着た小さな女の子が弾むように走り抜けていきます。 

走る方向に目をやると、背の高い男性がニコニコしながら立っています。 

女の子は一度私の後ろにいる女性を振り返り、嬉しそうに照れた笑い顔をして、 

「パパだ!」とはしゃいだ声を出してドンドン駆けていきます。 

パパの元にたどり着くやいなや、パパにジャンプして飛びついていきました。 

パパは大きく両手を広げて、小さな女の子を軽々と抱き上げ、「おかえり!」。 

 とても微笑ましい風景でした。 

きっとママの実家にでも行っていたのでしょう。新幹線のホームにパパがお迎えに来てくれて嬉しくて駆けだした瞬間に立ち会ったのですね。 

『お迎え』はとても嬉しいものです。 

家だって、いつもどんな時も黙って『お迎え』してくれています。 

時には、感謝の気持ちを込めて、『ありがとう』を伝えたいですね。