駄菓子

小さな古民家を改装した美術館で声をかけられました。 

「こっちで写真をやっているから見てくださ〜い!」 

小さな男の子の声でした。 

「そうなの?どこに行けばいいの?」 

可愛らしい手で私の手を引いて 

「こっち、こっち♪」 

そこは小さな蔵があり、 

その中に入ると、見事な雪国の写真がたくさん展示されていました。 

どうやらお父さんの個展のようです。 

思わず絵葉書を3枚買いました。 

その後、男の子はお土産コーナーに連れて行ってくれました。 

「クッキー美味しいよ♪」 

「そうなんだ。どれがおいしいの?」 

「えっとね〜、これと〜、これと〜、これと〜、これと〜・・・・・。」 

どうやら全部おいしいと伝えたいようです。 

思わず、 

「じゃぁ、案内してくれたお礼におばちゃんが買ってあげる。どれがいい?」 

「えっとね〜、これと〜、これと〜、これと〜、これと〜・・・・・。」 

おっと、全部おねだりされそうです。 

慌てて、 

「これとこれとこれでいい? 一番大きいのを3つね。これでいい?」 

「うん♪」 

「お父さんとお母さんと3人でどうぞ。」 

「ありがとう!♪」 

私の姿が見えなくなるまで、ずっと大きな声で「ありがとう!」と言ってもらい、こちらが照れ臭くなってしまいました。 

古民家を使った美術館、とても幸せな時間をいただきました♪ 

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