夕暮れ時

 洗濯物を取り込んでいたら、お向かいのご夫婦が椅子を並べて座ってぼんやり。 

何かを話しているわけでもなく、何かを見ているわけでもなく、黙って景色を見ているようです。 

こちらに気がついて、軽く会釈しながら、「こんにちは。」 

こちらも会釈しながら「こんにちは。」 

少しの間があって、 

「今日は暖かくて良かったですなぁ。」 

そして話は、軒下のツバメの話や、小さくできた蜂の巣の話。 

夏が近ずいて虫が活発に動き出して困る話や、最近取れた野菜の話。 

4人でポツポツと話していると、お隣さんも、庭の水遣りのジョウロを持って会話に入ってきて、そのまた先のお隣さんもちょっと離れた所から笑ったり、頷いたりしています。 

そんなゆっくりの時間と共に日が暮れていきます。 

そして誰からともなく、そろそろと家に入っていく。 

なんともリラックスしたご近所付き合い。 

家がお互いの道にどのように開きあっているか、とても大切だと思います。 

コミュニケーションは、意図されて行われるものよりも、毎日の生活の中で、自然と無理なく取られるものがいいですよね。 

夕暮れ 小川千賀子 ブログ